2020年10月6日火曜日

Respect

 

只今、阪急百貨店うめだ本店のショーウィンドウの一角に

私の大好きな、そしてとてもお世話になった家具作家、西良顕行さんの作品が展示されています。



有機的な流木や木の枝が家具とマッチして、迫力があるのに流れるようなイメージもあって

その佇まいがとても美しい作品です。大きな空間でも存在感が凄かった。

 

何より、私が西良さんの作品を毎日のように見ていた時から10年近くは経っているはずなのに

その作風が変わっていないことに驚き、何よりそこがめちゃくちゃ格好良いなと思いました。

"ブレないスタイルで作り続けておられる"こと、

良い意味で"変わっていない"こと、に感激しました。

改めて10年後私もこうありたいなと思った次第です。

 


数年前まで私の地元である、川西市に在った「gallery&cafe HANARE」で大変お世話になった

西良さん。

社会人一年目にして辞職し、これからどうしようと途方に暮れていた時に

その空間や家具、男子感ムンムンの雰囲気が大好きでお客さんとして通っていたHANAREで

たまたま欠員が出たため働かせていただけることになり、就職しないとな..と思いながらも

結局2年ほどお世話になった思い出深いアルバイト先です。(もう10年以上も前の話です)

 

 

当時まだ、カフェというものが今程ない時代だったのですが

”こんなにも洒落た空間が地元にあるのか”という

初めてHANAREを訪れた時の衝撃は今でも忘れられません。

 

ひよっこの私には刺激しかなくて、物凄いやり手の大人が沢山関わっているんだろうな〜と

思っていましたが、改装自体はほぼ西良さんが一人でやられていて、困った時は大工さんを呼んで..

みたいな話を聴いた時には、もう、驚きというか超人やなと思っていました。笑

めちゃくちゃ立派な古民家だったので、天井の梁なんて見たことないくら太く

勤務中、どうやって改装したんやろ....とあまりにも素晴らしい空間を

カフェのテーブルを拭きながら想像していました。

 

そう言えば、HANAREのスピーカーの音が相当良くて

店内に響き渡るジャズやブルース、アンビエントな音楽を聴きながら働かせてもらって

(時々、夜にライブも開催しておられました。)

今思えばどんだけ贅沢なバイトだったんだろ..とその時は気付いていなかったのですが

今の年齢になると当時の自分を羨ましく思ってしまいます。

 

HANAREに出入りする方は面白い方が多くて、建築関係の方やデザイナー、造園家、

植物ハンターなど、聴いた事のないような職業の方もいて

ここでの出会いは一番刺激的で面白く、新鮮でした。

今迄自分が鼻息荒くやってきた学生あがりのアートというか作品が、陳腐に見えて

自信を無くしていった喪失期でもあります。

 

そんなHANAREの厨房の裏にある工房で

一人黙々と家具製作をする職人としての西良さんの姿が印象的で

その製作現場に興味しかなかった私が質問しても、多くを語らないところがとても素敵でした。

 

”好きなことをして生きる”

 

というシンプルなライフスタイルを背中で見せてくれたのが西良さんでした。

この頃から、私も好きなことをして生きたいなと思う様になりましたし

私自身が今日に至迄、山あり谷ありぐにゃぐにゃしながらも

なんとかデザインや絵を描くことを続けてこれているのは

好きなことをして生きるということを体現していた西良さんから学んだことです。

 

西良さんは現在「studio wedge」という屋号で、オーダー家具製作や作家活動されていて

gallery&cafe HANAREはcafeはもうないのですが

HANAREのスペースで家具の展示などもされていらっしゃいます。

家具に関して全くといって良い程知識がないのですが

魂が籠っていてずっしりとした安定感と迫力があり、力強く渋いデザイン。

他の家具を見てもあまりピンとこないのですが、西良さんのお人柄はもちろん、

家具を作る「手」を見たことがあるから

その手から産みだされた家具がとても格好良く、美しく、生きてる様に見えます。

今一番欲しいものは西良さんの家具たち。

 

バイトさせていただいた時から10年の時を経て、やっと私もちょこちょこですが

大変有り難いことに好きなことをしてお金をいただくことができるようになってきたので

そのお金で西良さんの家具をオーダーしたいなと思っています。

ゲットしたらまた書きます。

 

うめだ阪急本店での展示は11月9日までだそうです。

通られる方は是非立ち止まってみてください。

 

今日は長くなってしまいました..

ヘタクソな文章ですが、最後まで拝読いただきありがとうございました。 

そして、西良さん、素晴らしい作品を見せてくださり、ありがとうございました。

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